浅間神社の紅葉

富士5合目

忍野八海からバスへ戻る道

河口湖の紅葉 燃えるように真っ赤

忍野八海

宝刀うどん、お刺身御飯、ワカサギフライ、山菜

秋も深まった118日、朝から一片の雲もなく抜けるような青空のもと、期待に胸をふくらませ
元気いっぱいの
30人のOPC会員を乗せてバスは蒲田を出発した。この度は美人のガイド嬢付なので
折りに触れての説明が行き届き、お茶やコーヒーのサービスもあり充実したバス旅行になった。

 横羽線高速道路、保土ヶ谷バイパスから見る京浜地帯では、迂曲した立体的な道路網を持つ
近代都市の景観に、わが街ながら心を奪われた。 やがて、「海老名」を過ぎた頃、丹沢山塊の向こうに
富士の麗峯が姿を現したときは車中に嘆声のどよめきが起こった。富士山は六合目あたりまで冠雪してい
る。こんなに澄み切った富士が見えることは、珍しいとガイド嬢は繰り返し述べていた。
 丹沢を過ぎると箱根外輪山が前山となり近づいてくる富士山を、まさにほしいままに堪能することができ
た。やがてバスは富士吉田西インターから、樹林帯を伐り開いて通したといわれる「スバルライン」へと進む。

五合目(標高2305m)に降り立ったときは、厚いコートに手袋が必要であった。
私は先ず五合目から見る富士の姿に圧倒された。これは、おそらく初めて見る富士の姿ではなかろうか。
山は六合目あたりから冠雪しているのだが、登山のシーズンは夏なので、何度も富士に登ったとしても
この雪景色を見ることはなかった。今、間近に襞の深い雪の峯が迫っているのだ。
私はまぶたに焼き付ける思いで写真を撮った。今後、冠雪の富士を見れば、きっとこの景色を重ね合わせて
思い出すことであろう。眼下には五湖の瑠璃をちりばめ、北東には奥秩父の連嶺、北西に南アルプス(赤石
山脈)
の北岳はおろか、遠くかすかに北アルプス(飛騨山脈)の銀嶺まで遠望できた。
ため息の出るほどの絶景である。登山口の方へゆくと、馬が温かそうな鞍をかけて、
20頭ほども待機して
いた。瞳が澄んでいる。そして「ななかまど」は葉を落とし、その実は真っ赤に山の日を返していた。

すっかり体が冷え切ったころ、バスは五合目をあとにして、裾野にある「浅間神社(祭神は此花咲くや姫)
へ着いた。境内に赤の大鳥居が聳立し,更に紅葉がきれいであった。昼食は、河口湖畔の「船津や」で
「ほうとう鍋」の膳を囲み体を温めた。
その後、忍野八海へ着いた頃はもう日は傾いていた。
夕日にシルエットとなった富士を背景として、集合写真を撮った。残念なことに湧水池の底までは夕暮れの
日は届かず、池の底は暗かった。何年か前に行ったときは、日が高かったのでエメラルド色の湧水をよぎる
魚影が美しかったことを思い出す。でも澄みきった秋の忍野の水を掬って飲み、山紫水明の地に生きる喜び
を感じ幸せであった。

往路は長い籠坂トンネルを潜り抜けたが、復路は籠坂峠をぐんぐんと登った。峠から見下ろせば暮れゆく峪に
里の灯が、ちらちらと点り初めて旅情を誘った。観光バスの心入れを感じる。
今日一日、朝から暮れるまで、わが
OPCのグループに富士はその麗姿を惜しみなく見せてくれたように思う。
まさに独占させて頂いたような満足感があった。
すべての巡り合わせの恩恵に感謝するばかりである。その感動の余韻に浸りつつ家路についた。

                             以上 新倉記







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